2007年8月11日土曜日

地価の上昇率が拡大、マンション価格は都心部中心に急上昇

マンションの販売が軌道にのってきて、単なる価格上昇のみならず、リーズナブルなコンセプトが必要になりそうです。

(Asahi.comより引用)

 相続税や贈与税の算定基準となる路線価が2年連続で上昇するなど、7月末から今月に入って相次いで発表された地価やマンションの販売価格調査では東京・都心部や都市・地域再生が進展したエリアを中心に大幅に上昇している実態が明らかにされた。こうした急激な価格上昇について、都心部など好立地の物件については富裕層がついてきており、価格上昇への弾力性があるものの、その一方で、購入希望予算を変えずに「住戸面積を多少狭くする」ことなどで妥協するという人が7割に達しているという購入意識調査も明らかにされている。

 国税庁が今月1日に公表した路線価では東京圏が前年を13.1%上回ったのをはじめ、大阪圏、名古屋圏とも上昇率が拡大した。さらに下落を続けていた地方圏の平均路線価は15年ぶりに下げ止まった。また、民間の東急不動産でもこの時期に「首都圏地価分布図」を発表しているが、ここでも昨年に引き続き、都内の1平方メートル当たり60万円以上の高額エリアと、都心への交通条件がよい郊外の同30万円以上のエリアが拡大している。

 いずれの調査でもかつてのバブル期のように、一律に上昇しているわけではないが、それぞれの特定エリアが持っている利便性やブランド価値などを選びながら広がりを見せている実態を映し出している。

 一方、マンションの販売価格については、こうした地価上昇や建築単価の上昇を受けて、都心部ではまさにバブル期を彷彿(ほうふつ)させるような急激な価格上昇が見られた。

 不動産経済研究所が明らかにした首都圏を対象とした今年上半期(1~6月)のデータでは、エリア別で前年同期に比べた平均販売価格の上昇率が最も高かったのは東京・港区の99.5%高で、1戸当たりの価格は1億2236万円だった。港区では今年上半期の供給戸数が前年同期の約4分の1に減ったが、「有栖川パークハウス」などの高額物件の供給が相次ぎ、価格上昇につながった。

 平均販売価格の上昇率では、2位が東京・千代田区の90.6%高、3位が東京・目黒区の60.0%高で、上昇率上位20エリアのうち、10エリアを東京23区が占めた。

 このように都心部を中心にマンション価格の急激な値上がりの実態が見てとれるが、「新新価格」といわれる高額物件の登場はむしろこれからが本番だ。こうした高額物件でも今は富裕層がついてきているが、利便性や居住環境などで、価格の合理性に欠けた物件は厳しい選択眼にさらされ、即、在庫の山になりかねない。

 マンション販売の長谷工アーベストが実施したWebアンケート(6月下旬、399件回収)によると、6割超の人が「生活の中で景気回復を実感していない」と回答し、7割の人が住宅購入時には当初予算を変えずに、住戸面積や物件所在地などの条件変更で妥協してもよいと回答している。

 今後はエリアごとにグロス価格をより重視したマーケットが形成されることになるだろう。